日本の伝統的な美意識と現代のデジタル技術を融合させ、野外彫刻から繊細な紙作品、近年では水彩絵具による表現まで、多層的な感覚体験を生み出すメディアアーティスト。現在はニューヨークを拠点に活動している。
制作の中核にあるのは、「無常性の中からいかに美が立ち現れるか」という問いである。人間や自然が内包する脆弱さの中に、静かでありながら確かな強さを見出し、光や音、有機的な素材を統合した空間構成を試みる。そのプロセスは、鑑賞者の感覚的な記憶を呼び覚ますための装置となり、移ろいゆく存在が持つ尊厳を再考する場を創出している。
これまで中之条ビエンナーレ(群馬)への継続的な選出をはじめ、国内外で評価を受けてきた。ニューヨーク州のスカルプチャー・スペース(Sculpture Space)では、ポロック=クラスナー財団の支援によるレジデンス・フェローシップを受賞。鉄による彫刻作品《threshold》は、ニューヨーク州カゼノビアのストーン・クアリー・ヒル・アートパークにて2011年より長期設置・公開され、歴史、環境、鑑賞者のあいだに持続的な対話を生み出している。作品はウェーブ・ヒル(ニューヨーク)、ISE文化財団、ニューヨーク・エレクトロアコースティック・ミュージック・フェスティバルなどで発表され、『ニューヨーク・タイムズ』紙や『スカルプチャー・マガジン』誌などでも紹介されている。
多摩美術大学グラフィックデザイン専攻卒業後、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校にて美術学修士号(MFA)を取得。15年以上にわたり同大学アート学科にてInstructional Support Technicianおよび講師を務め、芸術的ビジョンと技術的実践をつなぐ役割として、教育と大学運営の両面に携わっている。